ソルティーキッシズ

ソルティーキッシズ

マイブラッディバレンタインのラヴレスが発売されてからもう10年以上経った。その間にケヴィン・シールズは曲を作っては捨て、ぶくぶくと太り、今はプライマルスクリームで気ままにギターを弾いてる。スマッシングパンプキンズは解散し、ステレオラヴのボーカルは死んだ。他にもたくさんのバンドが解散し、大勢死んだ。新しくつまらないバンドとそれなりのバンドが結成され、その一部の歌を僕は聴いた。そして、21世紀なんていう馬鹿馬鹿しい時代になり、生まれたての妖精のようにつるつるだった妹の恥部もいつの間にか毛で覆われた。それでも、未だに僕たちは、あの天国で鳴り響くようなフィードバックノイズを求め続けている。実に多くのバンドがそれを自らの手で鳴らそうと試みてきた。「ラヴレス」そのものにはなれなくても、その中にはかなりイイ線いってるものもあって、それを聴いて踊ったりした。でもそれは、言ってみれば愛の無いセックスみたいなものだ。あるいは、死んでしまった恋人の魂を口寄せしたイタコとダンスを踊るようなものだ。それは本当じゃない。でも、いい加減、そろそろ許してやれよとも思う。マイブラフォロワーだなんて冠詞をつけずに、そのバンドそのものを評価してやったっていいじゃないかと思う。
そうだよ。GUITAR良いじゃないか。こいつとなら、もしかしたら2人くらい健康な子を産んで仲良く幸せな家庭を築けるんじゃないか。いつか心から愛せるようになるんじゃないか。そんな気分にさせてくれる。非常に申し訳ない話だけれど、今はそういう風にしか愛せない。でも本当に良いよGUITAR。好きだよ俺は(ベッドで煙草を吹かしながら)。

Asobi Seksu

Asobi Seksu

愛の無いセックスで思い出したけど、このasobi seksu(遊びのセックス)というバンドも所謂マイブラ以降のバンドである。バンドの人たちが意図したのかどうか知らないが(たぶん意図してないだろうけど)、そういう意味ですごく象徴的な名前だと思う。そういえばこのバンドのボーカルも日本人の女の子だ。ジャパニーガールのロリ声はマイブラの象徴のひとつ「ウィスパーボイス」を再現するのに最適なのかもしれない。


ところで、僕に妹なんていない。つるつるの恥部なんてものこそひどい妄想だ。