第78期感想

#1 夢の男
既に知っている土地なら敢えて『異国の地』なんてもったいぶった言い方をする必要はない。
オチ至上主義というか、オチに至る過程があまりに適当すぎるな。かと言って大して面白いオチでもない。


#2 『ニューシネマパラダイム
http://tanpen.jp/32/27.htmlおもしろいよねこれ。
メタ落ち風? 最後のセリフは映画開始の暗転に合わせたセリフ、だと思うけど。[了]もわざとだとは思うが。
それにしても、隣の男の自意識過剰ぶりには辟易させられる。なにがディレクターだこのやろう。


#3 痛み
『ある朝俺が部屋から這いだしてくると』俺は二人いるのか。


#4 どちらかはトム?
外国語を和訳したようなどことなくへんな日本語を装った、というだけの作品なのか。トムとかトムじゃないとかよくわからないなあ。


#5 僕のやるべきこと
目の前の風景の色と、絵の具でつくった色が、同じだなんて、どうかしてるんじゃないか。
「授業の写生」と「描きかけの絵」だと、似たような色ばっかりで描いた絵みたいで、うすぼんやりとした印象になってしまっているように思う。もっとシチュエーションを乖離させてもよかったんじゃないか。


#6 あるアパートの一室
女の子が思春期になってからポルターガイストが起こるようになった→おはらいをしよう→おはらい効果ない→なぜならポルターガイストの原因は思春期の女の子だから。なにこの論理展開。あらかじめ「女の子が思春期になってからポルターガイストが起こるようになった」という情報を提示しておく意味はあったのか。
つーか、今では無人なら思春期の女の子もいないんだからポルターガイスト続くのはおかしいじゃないか。という怖い話なのか。


#7 発掘の日
なぜナマケモノ? 唐突すぎる。しかも、ナマケモノのくせに発掘なんてめんどうそうなことしてるし。設定がいい加減すぎる。それにだ、「ハタラク」という言葉の意味がわからないなら、『ハタラカざる人』は直訳ですらない。SF書くならもうちょっとちゃんとしてくれ。


#8 銀行強盗
否リアルが強烈すぎる。誤字なのか。そしてこれは阿倍和重リスペクトなのか。


#9 桜の坂道
「涙する」とは言うけど「涙をする」とは言わないなあ。それに、涙は決壊しません。
『でも、その孤独さだけがどうなに時間が経っても慣れないんだ!』とか、とつぜんテンションが高まったのでびっくりした。
『もし、その夕暮れ、私が自分の思いを彼女に伝えられるのなら、このような状況に成れないのかもしれない』というのも時制がよくわからなかった。って、もしかして外国の人か。作者は。


#10 1番ショートコウタ背番号6
舞城の匂いがする。


#11 3分間
『無料試聴型のそのサイトには投稿者が投稿した、最近流行りのJ−POPから洋楽、演歌、童謡、軍歌まで、
様々な曲が月額利用料を払うことでダウンロードできる。』
クラシックなんかの著作権切れた曲を自分で演奏したものなら投稿してもいいだろうけど、最近流行りのJ-POPなんて投稿していいものなのか。どこですかそのサイト。
てかー。クラシックの中でベートーベンてそんなにダントツかなあ。
『投稿者の好みで原曲のままや、オルゴール版や着メロ用にアレンジされたものなど、何千曲も投稿されている。』などは無駄な情報である。


#12 コーヒーゼリーと都会の月
*おおっと*
男の台詞がもっとおざなりだとか、あるいは、コーヒーについて語っているだけなのに彼女が感動してしまうとか、もう一段階そういったギミックが施されていてもよかったような。


#13 ウナギとカメ
おもしろくなくはない。
これにキテレツな言語感覚を盛り込むとハンニャさんになる。ような気がする。つまりハンニャさん以下ということになる。


#14 アイヨリモ、コイナラバ
×「いともたやすくその火を消してしまうものなのだろうか」
○「いともたやすくその火は消えてしまうものなのだろうか」
人魚が産むのは卵なのか。男がその卵に精子をぶっかけるのか。それが問題だ。


#15 忘れるを知る
缶バッジ。マクガフィン
よくわからないうちに仲違いして、よくわからないうちに相手のことを忘れてしまう。けんかの理由は缶バッジ。忘れるきっかけは『電話をしたくなった。でも何を言えば良いかわからなくて』。ひじょうに説得力に欠ける。